サイコロを使ったワケ

時代の移り変わりと共に「指名される」「目立つ」ことに抵抗を感じる人も増えました。しかし、それぞれ意見を持っていますので、どんな人も発言しやすくする環境作りは必要です。

サイコロを用いたのは、全てが運に託されるからです。講師が指名するようになると、なぜあの人が当てられたのだろう、何らかの意図があるのではないだろうか、と勘ぐってしまう人も出てきます。

これがサイコロであれば「当たってしまったのだから仕方がない」ということ、加えて「自分から発言しようとしたわけではないことを、周りもわかっているはずだ」と安心出来るので、みんなの前での発言もしやすくなります。

サイコロの代わりにあみだくじなどもおすすめです。それではあまりにも主体性がないと感じるなら、グループの中で発表する人を決めてもらいましょう。

平山枝美『「若手と一緒に成果を出したい!」と思ったら。』(大和書房)
平山枝美『「若手と一緒に成果を出したい!」と思ったら。』(大和書房)

ただ、そうなるといつも同じ人に発言してもらうことになるので、私は「全員当たります。一度当たった人は、もう発言は出来ません」と伝えています。すると、「いずれ当たるのであれば」と、自分から手が上がるようになります。

その過程で、最初は引っ込み思案だった人も、段々と周りの空気を読みすぎずに発言出来るようになってきます。リーダーにグループをまとめてもらうことで、物事が進みやすくなる一方、リーダーに任せ切りになってしまうメンバーも出てしまいます。

そんなときは、サイコロなどのツールを使って、まんべんなく発言してもらえる機会を作って話しやすい場を作ってみましょう。

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