もちもちの手もみ麺で人気沸騰
西武池袋線・狭山ヶ丘駅の西口から徒歩1分。
埼玉を代表する中華そばの名店がここにはある。「自家製手もみ麺 鈴ノ木」だ。
2018年にオープン。「食べログ」では3.90点を誇り、埼玉のラーメン店では堂々の4位につく(2024年7月11日現在)。
「鈴ノ木」は店主の鈴木一成さんと妻・千尋さんの2人で切り盛りしている。埼玉西武ライオンズファンの2人は独立にあたって所沢市に引っ越し、ここ狭山ケ丘でお店をオープンした。
自家製の多加水麺を一玉ずつ手もみして仕上げた極上の麺が自慢。スープは鶏と昆布のみで、ここにキレのある醤油ダレをプラス。創業当時よりも鶏の量を増やし、圧倒的なダシ感で魅了する。麺は3種類の国産小麦をブレンドした専用粉で仕上げている。
一気に人気が沸騰したため、現在は記帳制を導入。営業日は毎日11時頃に記帳台が出るので、ここに名前を書いておけば順番に呼ばれる仕組みだ。
最近はネット予約制のお店も増えているが、「鈴ノ木」は地元のお客さんを大事にするためにあえて記帳制を採用している。地元の常連は朝散歩がてら記帳しに来て、家でのんびりしてからまた食べに来るのだという。
「常連さまに支えていただいているので、夫婦で話し合った結果、記帳制を続けようと決断しました」(一成さん)
ドライバー→お菓子工場を経て「六厘舎」の店長に
一成さんは埼玉県幸手市生まれで、高校卒業後はヤマト運輸のドライバーを経てお菓子の工場で働いていた。
ある日、つけ麺の名店「六厘舎」がテレビで取り上げられた時に、同級生の瀬戸口亮さんが店長としてインタビューに答えているのを見た一成さん。同級生が有名店で活躍しているその姿を見て、刺激を受けた一成さんは瀬戸口さんに連絡をする。
すると、瀬戸口さんは「今、人がいないので良かったら来ない?」と一成さんを「六厘舎」に誘う。こうして一成さんはラーメンの世界に足を踏み入れることになる。27歳の頃だった。
「六厘舎」では4年間働いた。最後の2年間は「六厘舎」のソラマチ店の店長に抜擢され、多くの従業員を管理するマネジメント的な仕事に就いていた。
一方で、店作りやマネジメントを学ぶことはできたが、スープ作りや麺作りなどには携わることができなかったため、さらにラーメン作りを学んでみたくなる。
そんな頃、同僚の瀬戸口さんが独立し、埼玉県三郷市で「さなだ」をオープン。このころから独立を考え始めるようになる。