親にとって「夏休みの子どもの昼ご飯」は頭の痛い問題だ。料理研究家の荻野恭子さんは「母は私の著書を参考に、90歳半ばから料理づくりに『モミモミ調理』を取り入れた。モミモミすることで、おいしい漬物などをつくりながら手の運動も兼ねていた」という。子どもから103歳まで誰でも楽しく料理に取り組めるレシピとは――。

※本稿は、荻野恭子『103歳の食卓 母とつくり上げた卓上クッキング』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

モミモミだけで漬物からスープまでできる

母の一日の食事は、朝昼を兼ねたブランチと夕食の2食でした。ブランチはパンにチーズや生ハム、ソーセージと野菜。夕食は肉や魚介の主菜に野菜、そして少量のご飯。こんな具合に朝夕とも簡単な献立にしていました。

漬物が好きだった母は、朝に夕にとサラダ感覚で漬物を食べていました。そこで役に立ったのが「モミモミ調理」です。ジッパーつき保存袋に野菜と調味料を入れてモミモミすれば、簡単に漬物が出来上がります。漬物だけにとどまらないのがモミモミの頼もしいところ。サラダや和え物、スープに至るまでいろいろな副菜がつくれます。

きゅうりと生姜の漬物
きゅうりと生姜の漬物
写真=鈴木泰介
※『103歳の食卓』より

材料(つくりやすい分量)
きゅうり……2本
生姜……1片
塩……小さじ1
砂糖……小さじ4分の1

つくり方
きゅうりは1cm幅の輪切りに、生姜は薄切りにしてジッパーつき保存袋に入れ、調味料を加え、全体がなじむまでモミモミする。