なぜフィンランドは世界一幸せなのか
首都ヘルシンキは「バルト海の乙女」とも呼ばれる美しい港町です。市内の中心には白い外観が美しいヘルシンキ大聖堂があり、そのすぐ近くに玄関港である「エテルサタマ」があります。この港はストックホルムやエストニアの首都タリンなどへ向かうクルーズ船や、近距離フェリーの発着地となっています。そして、この港を訪れた人たちは、このバルト海の美しい景色を満喫しています。
さらに、ヘルシンキは首都であるにもかかわらず、街中には緑にあふれる公園が沢山あります。夏になると、公園の芝生で寝転がり日向ぼっこする人や、ジョギングやサイクリングする人、家族でバーベキューする人たちをよく見かけます。年間を通して日照時間が短いフィンランドでは、太陽の光を浴びられるこの夏を楽しむ人が多くいます。そのため、夏に長い有給休暇を取り海外旅行へ行き、趣味に時間を費やすことが当たり前となっています。
フィンランド人の妻に以前、なぜフィンランドの幸福度が高いのか尋ねてみたところ、「フィンランドでは夏などの休みの季節に長い休暇が取れて、家族や趣味などの自由な時間が取れるからではないかな」とも話していました。
12日間連続の休暇を取ることが義務
こうした長く休暇の取れるフィンランドの労働法では、フルタイム勤務の場合、1年目は24日、2年目以降は30日の有給休暇が与えられます。また、公務員は15年勤務後には36日間の有給休暇を取得できます。
ほかの先進国の法定年次有給休暇日数は、スウェーデン・デンマーク・ノルウェー(25日)、ドイツ(20日)、フランス(30日)、日本(10~20日)、アメリカ(0日)なので、フィンランドはほかの先進国に比べても、有給休暇日数が多くなっています。
さらに、有給休暇をしっかりと消化する必要もあるため、労働法で夏季(5~9月)の間に24日間の休暇を取ることを定めています。実際には夏季中に24日全て取る必要はありませんが、少なくとも夏季中に12日間の連続した休暇を取ることが義務となっています。