5カ月間の投与で、300万円程度の医療費

ただ、そのコストは相当高い。

当初、オプジーボはとても高価な治療薬だった。平均投与期間は5カ月程度と言われるが、総コストが数千万円にも及んでいた。いまは薬価が大幅に下がったが、それでも5カ月間の投与で、300万円程度の医療費がかかる。

5カ月間の投与で、300万円程度の医療費がかかる
写真=iStock.com/Yusuke Ide
5カ月間の投与で、300万円程度の医療費がかかる(※写真はイメージです)

それが保険診療ということになれば、負担はケタ違いに小さくなる。

ここは知らない人も多いので、以下で、がん治療とお金の話をまとめておこう。

自由診療の場合、医療費は全額自己負担

がんの治療には、莫大なお金がかかると思い込んでいる人が多い。

だから、がん保険には根強いニーズが存在する。

ただ、実際には、標準治療の範囲内で行なうのか、自由診療で治療を行なうのかによって、自己負担額は天と地ほどの差が出る。

まず、健康保険の適用が認められていない自由診療の場合、医療費は全額自己負担になる。

たとえば、毎月200万円の医療費がかかったとすると、200万円すべてを自腹で支出しなければならない。

唯一の救いは確定申告の際の医療費控除だが、医療費控除の上限は年間200万円と決められているので、毎月200万円の医療費がかかると、たった1カ月で控除枠を使い果たし、あとは純粋な全額自己負担になるのだ。