名詞の性は生物学上の性と一致

先述したとおり、3つの言語とも、「男性名詞」と「女性名詞」という、2種類の文法上の性の区別があります。

ラテン語では中性名詞がありましたが、これらの言語では中性名詞は多くは男性名詞に吸収されました。生物学的に性がある人や動物を表す名詞は、文法上の性も基本的にこれに一致します。動物の場合、種全体を表すときは男性名詞のほうを使います。

【図表】生物学上の性別がある名詞
F=フランス語、S=スペイン語、I=イタリア語(『フランス語 スペイン語 イタリア語 3言語が同時に身につく本』P.26より)

名詞の性はイタリア語を軸にすると覚えやすい

性の区別がないモノを表す名詞については、次のようにスペイン語とイタリア語では、語末の母音を見れば性がわかるものが結構あります。しかし、語末を見ても性が見分けられないものもたくさんあり、それは覚えなければなりません。

フランス語は、一部の語の見分け方がないわけではないのですが、複雑なのでここでは省略します。3つの言語の名詞の性は、同じ語源の名詞ならば原則として同じですので、特にイタリア語を軸にして一緒に覚えると効率がよいでしょう。