極早生温州は9~10月頃に収穫
温州ミカンの品種は熟期により、極早生・早生・中生・晩生の4系統(晩生を、さらに普通・晩生の2つに分けることもある)に分けられる。
ただし、地域によっても差が出るので、同じ時期に、異なる系統の温州ミカンが店頭に並ぶことがある。
極早生温州は、主に9~10月頃に収穫される。果皮が青くて甘酸っぱく、さわやかな香りの品種が多い。昭和時代には運動会シーズンに食べられたので、運動会ミカンとも呼ばれた。
かつては甘みが少なく酸味が強かったが、近年は栽培技術の進歩と新品種開発により、年々品質が向上している。主な品種は、日南1号・上野早生・ゆら早生・肥のあかり・YN26など。
1カ月以上熟成させた「蔵出しミカン」
早生温州は、主に10月下旬~12月頃に収穫される。甘み・酸味ともにしっかりしている品種が多い。内皮が薄くて食べやすい。
主な品種は、宮川早生・興津早生・田口早生・小原紅早生など。
中生温州は、11月半ば~12月頃に収穫される、お歳暮ミカンの主流。早生温州に比べると内皮が厚いが、酸味と甘みのバランスの取れた品種が多い。主な品種は、南柑20号・向山温州・石地温州・させぼ温州などがある。
普通・晩生温州は、主に12月に収穫される。外果皮・内皮ともに厚いため、日持ちがよい。酸味が少なく、甘みとコクがあるのが特徴。1カ月以上、貯蔵室などで熟成させた蔵出しミカンとして出荷することも多い。
主な品種は、青島温州・林温州・大津4号・寿太郎温州など。
露地ミカンはたいてい年内に収穫が終わるが、蔵出しミカンは3月頃まで出荷される。ねっとりしたゼリーのような食感が特長で、大きいサイズのミカンのほうが、より食感を楽しめる。