フランクリン・コヴィー社の「7つの習慣」セミナーは、これまでに20万人以上が受講。そんな同社が提供する最新のリーダーシップ研修とは。
リーダーには4つの役割が求められるが、これらが果たされないとき、組織は多くの問題を抱える(図7)。
まず、リーダーが信頼を呼び起こせない場合、陰口や内輪もめ、中傷などがはびこり出す。意義を与えられない場合、方向性や意思決定の基準があいまいになり、陰で思惑をめぐらせるメンバーが増えたり、政治ゲームが繰り広げられたりするようになる。人を育てるしくみや意思決定のプロセスなどのシステムを創造できない場合、組織はまとまりをなくし、部門間競争、共依存体質、あからさまな偽善などが生じてくる。そしてメンバーの力を解き放てず管理が強まると、チームは無力化し、周囲への無関心、内職の横行などが見られるようになる。
このような組織の症状は慢性化していく。急性の痛みとしては、低品質、コストの増大、柔軟性の欠如、行動の鈍さなどが表れる。そして「市場」での失敗、マイナスのキャッシュフローなどの事態に陥る。
そうならないよう、4つの役割をしっかり果たしていきたい。4つの中でも中核をなすのは「信頼」の構築である。信頼がベースになければ、他の3つの役割を果たすことはできない。
現在はスピード重視の時代といわれるが、信頼はビジネスにスピードをもたらす大きな要素である。私たちの活動は、大部分が人間関係や組織内関係を通して行われ、そこで交わされるコミュニケーションは信頼関係が基盤となる。たとえコミュニケーションが明確かつ的確であったとしても、信頼関係が欠如した状態では、多くのロスを生み、コストを支払うことになる。