浮気や不倫はどのようにして発覚するのか。心理学者のアンジェラ・アオラさんは「不倫の発覚には平均4年かかる。期間が長くなるにつれ、人はついうっかりスマホの通知を切り忘れてしまうものだ」という――。

※本稿は、アンジェラ・アオラ『不倫の心理学』(新潮新書)の一部を再編集したものです。

洗濯かごに入れられた、襟にキスマークのついたシャツ
写真=iStock.com/Liudmila Chernetska
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浮気・不倫はどうやって発覚するのか

私の母は平日よく古い白黒のフィンランド映画の名作を見ていた。その中に、妻が夫の上着のポケットに手を入れ、クシャクシャになった紙切れに電話番号を見つけ、夫の浮気を確信するシーンがあったのを覚えている。夫に詰め寄り、最終的に白状させていた。

昔はそんな風だった。今どき誰かのズボンのポケットからメモを見つけることはほとんどない。夫のシャツの襟に口紅がついていたり、妻の上着から馴染みのない香水の香りがするのに気づくことはあるだろう。急にパートナーが普段よりも身だしなみに気を使うようになることもある。

ジムに通う回数が増えたり、変な時間にシャワーを浴びたり、昔話に説明を混ぜたり、罪悪感から特別な愛情を注いでくるかもしれない。あるいはすごく幸せそうだったり、性的に興奮しているかもしれない。

スマホの通知、出会い系アプリでの「目撃」

今では浮気の痕跡はスマホやパソコンから発見されるのが一般的だ。テクノロジーは浮気当事者の親友であると同時に一番の密告者でもある。禁断の恋に落ちる相手を簡単に見つけることができ、パートナーとソファでくつろぎながら浮気相手との関係を維持することもできれば、家族と過ごす金曜日の夜に禁断の関係にある同僚にメールを送ることもできる。

しかし残念なことだが、スマホを置きっぱなしにして眠ってしまい、遅くまで起きていたパートナーがドラマを見終わったその時、誰の目にも触れるはずのないメールがスマホの画面に表示される瞬間がいずれ訪れる。パートナーがスマホに用心深くなり、秘密主義になることも、よく見られる浮気の兆候だということにも触れておこう。

あるいは、共通の知人がたまたま出会い系アプリでパートナーを見つけて言ってくることもある(不注意極まりないことだが)。もう1つ、パートナーに生じるかもしれない変化は、浮気相手と名前を混同しないように相手の名前を使わなくなり、ハニーとかダーリン、あなた、などと呼ぶようになることだ。