帰省をきっかけに夫婦間トラブルが起きることは少なくない。夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「ゴールデンウィークや年末年始の後は、夫の実家に帰省した妻たちの不満が炸裂するケースが目立つ。帰省時、夫は妻のケアに努めたほうがいい」という――。
椅子に座って話している2人の女性
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帰省をきっかけにイライラが爆発

毎年ゴールデンウィークの時期が過ぎると、夫婦間トラブルの相談が増える傾向がある。年末年始と同様、夫婦どちらかの実家に帰省する際にパートナーや義親へのイライラが爆発する、というのがその理由の大半を占めている。

なかでもとくに多いのは「夫の実家に帰省した妻たち」の不満が炸裂するケースだ。たとえば、こんなことがある。

【CASE1】義母にイヤミを言われる妻をフォローしない夫

「結婚当初から夫の実家に帰省するたびに義母からイヤミを言われてイヤな思いをしていました。いまだに許せないのは、義母よりも、私をフォローしようとしない夫のほうなんです」とN美さん(36歳)は憤る。N美さんは4年前、5歳年下の夫と「授かり婚」をした。

「そもそも義母は、自分の息子が彼より5歳年上の私と結婚することに反対だったようです。結婚の挨拶をしに、はじめて夫の実家に行ったとき『せっかく大学院まで行って社会人としてもこれからというときに、いきなり子どもができたから結婚するなんて言われても、正直な話、ガッカリするに決まっているじゃないの』と言われたことはいまだにハッキリと覚えています。思い返せば、そのときの夫も母親に言い返そうとはせず、ただ笑っているだけでした」

「田舎の年寄りにサンドイッチは間違っている」と夫

N美さんが夫の実家に帰省するのは、年末年始とゴールデンウィーク、夏休みの年3回。帰省中は毎日のように義母からのイヤミが続き、そのたびに憂鬱な気持ちになるというN美さん。「『たまにはN美さんがお昼ご飯を用意してちょうだいよ』という義母のリクエストにしたがってサンドイッチをつくったところ『あら、ご飯をお願いしたのにパンが出てきたわ。ごめんなさいね、ウチは主人も私もパンは苦手なのよ』と、まさかのつくり直しを命じられたんです」。

N美さんがさらに驚いたのは、その顚末てんまつを報告したときの夫の反応だったといいます。「夫は、自分の母親のワガママを詫びたり、私の労をねぎらったりすることは一切せず、むしろ『田舎の年寄りにサンドイッチを食べさせようとするほうが間違っているんじゃない?』と私を批判したんです。結婚以来、夫は一度たりとも私の味方についてくれません。もうこの人には何を話しても理解してもらえないのだろうな、と心から失望しています」。