「地元の友だちとパチンコに行ってくる」と出かける夫

【CASE2】自分の実家に妻を置き去りにする夫

「コロナ禍をきっかけに、夫の実家に帰るのはやめました」と話すR子さん(41歳)も、帰省中の夫に憤る妻のひとりだ。R子さんは同じ年の夫と6年前に結婚し、子どもはいない。結婚以来、年末年始はR子さんの実家、ゴールデンウィークは夫の実家にそれぞれ帰省することが慣例になっていた。

R子さんが夫を腹立たしく思う理由は、実家での夫の態度だという。「実家に帰っても、夫は私を置き去りにして出かけてしまうことがほとんど。帰省するたびに同窓会に参加するのは仕方ないとしても、『地元の友だちとのパチンコに行ってくる』『高校のときの友だちが開いた居酒屋に顔を出してくる』などと理由をつけて出かけては朝帰りの日々。義両親も『1年に1度なのだから、羽を伸ばさせてやってもいいんじゃない』と、40を過ぎた息子に対してあきれるほど寛容なんです」。

R子さんは義両親とは不仲ではないものの、かといって1日中一緒に過ごせるほど親密でもないとのこと。「日用品や食料品の買い物に付き合ったり、テレビを観ながらおしゃべりしたりするのも、せいぜい2日間が限界。3日目以降は、『早く自宅に戻りたい』という気持ちになります」。

悲しみの中の女性
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コロナ禍をきっかけにお互いが単身で帰省するように

R子さんは何度も夫にそのことを伝え、なるべく実家にいてもらうようにお願いし続けたという。「夫の返事は決まっていて、『本来、お前の実家に帰るのだってオレにとっては苦痛でしかない。貴重な年末年始の休みを犠牲にしている分、ゴールデンウィークくらいオレの好きにさせてほしい』という一点張りでした」。

だからこそコロナ禍はR子さんにとっては夫の実家への帰省を断るには好都合だった。「『高齢のご両親に迷惑をかけるようなことになっては申し訳ない』を免罪符にして、お互いが単身で帰省することにしました。そのおかげで今は帰省のストレスがゼロになりました。もう二度と夫と一緒に帰省することはないと思います」。