6割以上の人がSMS、メールが原因で浮気がバレている

もう1つの要因は、時間が経つと自身の向こう見ずな行い(要するに浮気)にますます確信を持つ傾向があるということだ。多くの人にとっては発見されることさえスリルなのだ。そして、不注意になればもちろんバレやすくなる。

だから、もしパートナーの浮気を見つけたとしても、統計的に見ればそれは最初の浮気ではないだろう。先述したようにテクノロジーは浮気相手を探す手助けをしてくれる一方で裏切りもする。ヴェラが使っていたような浮気専用出会い系サイトやアプリ、SNS、名前や電話番号を明かさずにログインできる匿名アプリ、パートナーが寝ている間や留守の間にできるセックスチャットや裸のビデオ通話――隠れた二重生活を維持するのは難しい。

せめて一緒に生活する相手には隠しておきたいものだが、アプリを削除しなかったり、通知をオフにしなかったり、人は突如忘れてしまう。そのため39%もの人がショートメッセージから浮気がバレてしまったというのは驚くに当たらない。電子メールでの発覚は全体の22%で2番目に多い。3番目はどこに行ったか嘘がバレることで20%。4番目は現行犯逮捕で14%である。パートナーの浮気に関する情報を友人から知らされるのは5%で5番目に多い。

この最後のパターンに出くわしたヴェラは、堂々と採用面接という隠策を披露してなんとか取り繕ったが、このケースはある意味、ポジティブに捉えることができる。なぜなら浮気を目撃した人は、友人にパートナーから嘘をつかれていると知らせたいということだからだ。

ただ知らされた本人はパートナーの嘘と折り合いをつけられないかもしれない。またネガティブな点としては、周りの皆がパートナーの浮気を認識しているように感じられ、自分が最後だったと感じる点だ。私の時もほぼそうした状況だったし、きつかった。

不倫カップルの密会で一番人気は「11月末の金曜日」

あまり知られていないことだが、浮気当事者の86%は正式な交際や婚姻の前段階、デート期間中にすでに浮気している。浮気は夜、暗闇の中で起こるものだと思ったら大間違いで、就業時間中にも起こる。他にもホテルでの長いランチや激しい熱気に包まれた車内、出張、夜のホテル客室での裸のビデオ通話など。〈イリシット・エンカウンターズ〉が行った調査によると、特に浮気が集中する曜日は決まっており、金曜日だそうだ。

アンジェラ・アオラ『不倫の心理学』(新潮新書)
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300人のユーザーにヒアリングを行ったところ、一番人気は11月末の金曜日だった。理由は12月に入るとクリスマスの準備で忙しくなり、子供たちの学校が休みになり、クリスマスから新年にかけて家族行事が中心になるからだ。そうなると、ホテルの一室での密会や長時間のランチの暇はないだろう。

一生で何回浮気をするのだろうか? 一夜限りの関係で終わることが多いのか、それとももっと回数を重ねるのか? その答えは、浮気をしている人の37%が2~5回だった。18%は10回以上浮気をしている。

私の夫婦関係にもその兆候はあった。その1つは、夫婦関係の大半を通じて感情的な距離が存在していたことだ。これは、不倫のリスクが大きくなることを示している。やがて時間や場所に関する嘘が出はじめ、SNSに写真を載せてほしくないと言われた。後から振り返ってみると、それがよくわかる。

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