「非課税や税の優遇」はただのオマケにすぎない
ですから、インフレに負けてしまわないためにも、株式投資を始めておかなければならないわけなのですが、さりとて、株式投資を長年続けてきている私からすると、「何も、今このタイミングで始めなくても、もう少し割安なタイミングを待ってから始めた方がよいのでは⁉」と思うのです。
そもそも課税制度における「非課税や税の優遇」というのは、「オマケ」なのです。私は「税務会計論」を専攻して日本で修士論文、イギリスで博士論文を提出していますし、税理士の資格も保持しています。また、東北大学の助教授・教授時代には税務会計論講座を担当していましたから、色々な課税制度をみてきています。それらの経験に基づいて私が至った結論は、「課税制度における非課税や税の優遇というのは、オマケでしかないと思っておいた方がよい」ということなのです。
高値づかみをしてしまう方が大問題
「新NISA制度」に限らず、たとえばいわゆる「住宅ローン控除」もオマケです。なので、住宅を取得する際に第一に考慮すべき点は「家が必要かどうか」で、税額控除が一番の理由になってはいけません。
なぜ国がオマケをくれるのかというと、住宅取得の促進は強力な経済活性化策になるからです。「新NISA制度」も、国が「貯蓄から投資へ」という資産形成の自助努力を後押ししたいから、オマケをくれるのです。
つまり私が一番強調したいのは、「新NISA制度にほだされて、高値づかみをしてしまう方がよっぽど大問題なので、たいしたことない非課税制度にほだされるのではなく、しっかりと株式投資の勉強をしてから始めた方がよいですよ」ということです。しかも、「新NISA制度」は恒久化されましたから、慌てて株式投資を始める必要はないのです。