かつての中国のような爆発的成長をとげる国はどこか
2004年ころから2020年に新型コロナウイルス感染症が蔓延するころまでの16年間で、中国経済は爆発的に成長しました。新型コロナ不況と不動産不況により、2021年以降の中国の経済成長は明らかに鈍化しましたが、そうなるまでの勢いには目を見張るものがあったのです。そしてその爆発的成長を遂げた2004年ごろの中国と2024年のインドは、その「成長の熱気」という点における雰囲気が非常に似ているのです。
著名な投資家であるジム・ロジャーズ氏の新著『2030年 お金の世界地図』(SBクリエイティブ)では、「インドは中国とは色々な面で異なり、社会制度などにも問題が多いので、あまり高く評価していない。モディ首相の政権運営に失望して、持っていたインド株は売ってしまった」と述べています(同書59~64ページ)。そんな同氏も、「今や中国を抜いて世界一の人口大国となったインドは、人口ボーナス期の恩恵を受け、経済成長のまっただ中にある」と述べています。
インド市場に上場された株は買いにくいが…
私は、この「人口ボーナス期」に着目しています。「人口ボーナス期」とは、「人口が増える時期には、それに伴って経済も成長する」という意味です。そしてこれは向こう数年~10年は続くでしょう。人口構成というのは、1年や2年で急に変わりはしないからです。
ですから私は、この「インド関連」は息の長い「相場の柱」になると直感しているのです。
なお、インドは成長が見込める国だからといって、インドに上場する企業の株を買うのはおすすめできません。ジム・ロジャーズ氏も述べているように、インドには社会制度などの面で色々な問題もあるようですし、そもそも(私が調べた範囲では)インドの市場に上場する株を日本人が直接買うことはできないようです。成長が著しい国家では、資本を海外から入れたくないのかもしれません。
ですから、私がおすすめするのは「日本×インド」、すなわち「インドに進出している日本企業」のうち、安全性が高い企業の株を買うことです。そうすることで、インドの社会的な問題も加味した上で、インドの経済成長の恩恵を受けることができると考えるのです。