ただ、人は満足感を得ると心が満たされます。満たされたとき、それは一種の快感としてそこに浸り続けたくなります。これだけ大きなプロジェクトを成功させたんだ。こんないい取引先との商談をまとめたんだ。いままでにない事業を立ち上げて軌道に乗せたんだ……。

すばらしい活躍をしたときこそ、すぐに次の一歩を踏み出しましょう。心が満たされた状態を続けていると、そこから抜け出せなくなり、いずれ周りからの期待とのギャップに心が苦しむことになります。

大きなチャンスをつかんだとき、成功をつかんだとき、それは心が次の成長のステップに進むための準備が整ったということです。その機会を逃してはいけません。

心臓手術は大きく変わった

心得 昨日よりも今日。今日よりも明日。明日よりも明後日

心臓手術――。この言葉に、みなさんはどのようなイメージをお持ちですか?

「怖い」
「生死をさまよう手術」
「術後も退院までに長い時間がかかる」

そんなふうに思われているのではないでしょうか?

当たっている部分もあり、そうではないこともあります。

実際に以前は、命の危険と背中合わせの大手術とされてきました。心臓手術が成功したとしても大きな傷跡が残り、入院期間が1~2カ月かかるのは当たり前で術後には痛みに耐えねばならないものだったのです。

従来の胸を大きく切り開く手術を行うと、一緒に切った胸骨がもとの状態に戻るまでにかなりの時間がかかります。そのぶん、入院期間は長くなり痛みも伴う。それだけではなく、広くメスをふるったことで傷口から細菌等が入り込み、感染症を引き起こすケースも多々ありました。

ですが、医療技術は進歩し続けています。胸を切り開く手術は、過去のものになりつつあります。いま世界の外科手術の潮流は、体にメスを入れる範囲をできる限り小さくしようとする方向に進んでいるのです。切る箇所を小さくできれば、患者さんの体の負担は軽くなる。よって術後の回復は早まり、社会復帰もスムーズになります。

手術用キャップをかぶる医師
写真=iStock.com/monkeybusinessimages
※写真はイメージです

術後3日で退院する患者もいる

心臓外科手術は近年、大きく変わりました。それは、ロボット手術(ロボット支援下内視鏡手術)が出現したからです。いまでは、胸を大きく切り開いて心臓手術を行う必要性はほとんどありません。胸に小さな穴を3つ開けるだけで手術を行うことが可能になったのです。

このロボット手術では出血を少なくし痛みも軽減でき、手術痕もすぐに塞げます。以前は考えられなかったことですが、術後3日で退院していく方もいらっしゃいます。

体に優しいロボット手術により救命率が上昇、さらに脳梗塞をはじめとする重篤な合併症の発症も高い確率で抑えられるようになってきました。