人に対する心遣いが苦手な人、気を遣ったつもりが“いらぬお節介”になってしまう人は必見! 誰もが認めるハイパフォーマーたちの“絶妙な気配り”を紹介する。
顧客、取引先、上司、部下を味方につけて「いい仕事」を完遂させるのに必要な条件とは何だろうか。人を味方につけるには、何といっても相手を理解し、気持ちよく動いてもらわなければならない。そのためには、相手をよく見て、個別に心を砕くことが必要になる。
そこで、日常の仕事の中で、周囲を味方につけるために人々がどんな行動をとっているのかをアンケートによって調査し、年収1500万円の層(以下1500万円社員)と年収500万~699万円の層(以下600万円社員)とを比較・分析することにした。
今回の会社員、公務員618人に対する調査では、1500万円社員は600万円社員に比べて、より積極的に周囲に気配りをしていることがわかった。気配りをビジネススキルとして活かしていると言い換えてもいい。
誤りを指摘するのも気配りのひとつ
まず、1500万円社員に顕著に見られた行動パターンベスト3を見ていこう。
1位は「定期的に部下と面談をする」。これはいつでも話を聞くという「オープンスタンス」の具体的な場をつくり実行していることを意味している。言葉では「いつでも話を聞くぞ」と言っていても、実際に話をする機会をつくらなければ、部下の心は開かれない。1500万円社員の半数以上である53.7%が部下と面談する機会を定期的につくっている。一方600万円社員は28.8%にすぎない。
部下は意外に“遠慮深い”のである。こんなエピソードがある。ある管理職は隣の席にいる女性スタッフと意思の疎通ができていると思っていた。彼女は気軽に話しかけてくるタイプだったからだ。ところが年1回の人事面接をしたところ、普段聞かされていない話が山のように出てきたという。上司と部下という関係に限らず、人には「その場」でなければ言えないことがある。そこで会社では「言いたいことが言える場」をつくる仕組みが必要になる。それが定期面談というわけだ(今回の600万円の社員の役職内訳は、部長クラスが10.4%、課長クラスが22.7%、係長クラスが24.3%で、管理職が半数を超えている。また、スタッフ職38.8%の人々の中にも、マネジメントを担う人材が含まれている)。