食事でエネルギーを蓄える「グリコーゲンローディング」

もう1つ運動で気をつけなければいけないことがあります。それは、例えばマラソンの前の日とか2、3日前にはどうしたらいいかというと、からだにエネルギーを蓄えないといけないのです。からだにエネルギーを蓄えるとはどういうことかというと、からだにグリコーゲンを蓄積させる、つまりエネルギー源であるグリコーゲンを筋肉に蓄積させることが必要になってくるのです。そのためにどうしたらいいか。これをグリコーゲンローディングというのです。グリコーゲンをからだにロードする、蓄積させるという意味です。

方法は、マラソンの2日前くらいから、お餅主体の炭水化物を摂ることが大切になります。よく言うでしょう、お餅を食べるとおなかに力が入るというのは、そういうことですね。だから長い試合のときとか、朝から1日中試験を受ける前には、ご飯の量を増やす。分かりますね。油分はあまり摂らないようにして炭水化物を増やす。例えばおにぎりを1個、多く食べるとか、夜に炭水化物をちょっと摂ることをお勧めします。通常の食事よりも糖質をたくさん摂るようにすると、グリコーゲンローディングになることを覚えておいてください。だからテスト日の前は、少しご飯の量を多くするといいと思います。

おにぎりを握る高齢女性の手
写真=iStock.com/Yuuji
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注目の腸内細菌、他人の便を移植して病気を治す方法も

今、科学の世界で話題になっている、腸内細菌と体力との関係をご紹介したいと思います。実は腸内細菌がからだのいろいろなところに効いていることが明らかになってきました。もちろん体調にも良いだけではなくて、他の病気にも効いている。脳にも効いているのではないか。腸内細菌が出す何かの物質によって、脳の能力が変わってくるのです。これを脳腸連関と言います。皆さんも、ストレスで胃が痛くなったり、怒りではらわたが煮えくり返る経験をしたことがあるのではないでしょうか。

腸内細菌で興味深い例があるので、ちょっとご紹介したいと思います。それは他人の便を移植する話です。便移植と言うと気持ちが悪いので腸内細菌叢移植と言われています。とにかく腸内細菌を移植すると、潰瘍性大腸炎といわれている難治性の炎症性腸疾患が治った、という報告がされました。その他に、アレルギーを防止したり、ダイエット目的でも他人の便を移植すると良い、など多くの報告が最近なされるようになりました。