最後に苦戦するとリターンが目減りする

一方、図表7は、逆に当初の15年間は株価が年率5%で上昇したものの、最後の5年間は年率▲5%で下落したパターンです。

【図表】株価が当初15年間・年5%成長し、その後最後の5年間・年5%下落するケース
筆者作成

この場合、全体の株価は最終的に+60%(1.6倍)になっているにもかかわらず、積立資産の時価は+6.1%と非常に小さくなってしまいました。

これは積立投資の弱点といって良い部分で、当面好調でも最後苦戦すると、リターンが大きく目減りする傾向があります。

途中で上下動してもしっかりリターンがある

最後にご紹介したいのが、株価が上下を繰り返しながら全体としては、株価が右肩上がりで上昇するようなパターンです(図表8)。1年で約2割程度の下落をするようなアップダウンを伴いながら、全体として年5%の成長をしていく場合です。

【図表】株価が2割程度の上下動を繰り返しながら全体的に年5%の成長を続けるケース
筆者作成

このケースでは、20年後の資産残高は3490万円で投資元本に対する上昇率は+45.4%です。途中に上下動があってもしっかりリターンが得られています。

積立投資で資産を増やすには、投資対象が長期的に成長することが大前提となりますが、途中で株価が下がったとしても過度に心配をする必要はなく、一時的に株価が下がることでかえって投資成果が大きくなるのです。

たとえば、インドやベトナムなどの新興国はリスク高く、大きく株価が下がることもあります。しかし、「長期で見れば成長する」と考えるのであれば、積立投資で大きな成果を享受できる可能性が高いのです。