不登校の保護者の交流会

ほかには、PTAで「不登校の保護者の交流会」を開催する例なども耳にします。

兵庫県川西市立東谷小学校の保護者Kさんは、2022年秋、お子さんが行き渋りの状態になりました。「親の会」に参加したいと思ったものの、あいにく近隣にはちょうどよいところが見つかりませんでした。

この頃、Kさんはネットの記事で、千葉県習志野市のある中学校のPTAが「不登校の保護者の会」を開いていることを知ります(筆者が書いた記事でした!)。

そこで、東谷小でも会を立ち上げるのに協力してもらえないか、PTAに相談してみることに。同小のPTAも記事で紹介されたPTAと同様に強制がなく、やりたいことをやれる雰囲気だったので、自分にもできるんじゃないかと思ったのです。

話をしたところ、会長や校長先生、近隣校の会長ら(※)が皆、快く協力してくれることに。そうして翌2023年秋から、同じ中学校区の3つの小学校が合同で「不登校の保護者の会」をスタートする運びとなったのでした。

※2023年春、東谷小を含む近隣の4つの小中学校はPTAを解散し、それぞれで保護者グループ(ココスクール)を立ち上げていました。

学校での保護者の集まり
写真=iStock.com/Pornpak Khunatorn
※写真はイメージです

同じ経験をした保護者が集まり、心の支えに

「会が動き出すまでの間、私は『図書ボランティア』のサークルに入っていました。ここもおしゃべりができて、気晴らしにはなったんですが、やっぱり『不登校の親』としてのお話はしづらくて。どうしても気を遣われてしまうので、それもちょっとつらいんですよね。でもいまは毎月、同じような経験をした保護者で集まるので、息抜きにもなるし、すごく心の支えにもなっています」(Kさん)

参加者は大体4、5人のことが多く、話しやすい雰囲気だそう。開催場所は、近隣の市の施設を使うことが多いのですが、小学校で開催したこともあり、このときは校長先生も参加してくれたといいます。

直接顔を合わせて集まる会のほかに、LINEのオープンチャットもあり、こちらに登録している保護者は現在12名。当初は会の告知のために使っていましたが、最近「フリートークOK」に変えたところだそう。

「会がスタートしてから半年しか経っていないので、まだ存在を知らない保護者の方が多いと思います。じっくりと細く長く続けて、『こういう会がある』という状況を定着させていきたい」とKさんは話します。

なお、これまでは平日日中に開催してきましたが、より多くの保護者が参加しやすいよう、今後は土日や夜の開催も考えているとのこと。近隣の中学の保護者グループも、会に加わることを検討中だそうです。