飛び入り参加OK、誰でも参加できるミーティング

ひとつめは、福島県にあるN小学校PTA。2019年春、初の退会者が出たことを機に入会届を整備し、自由参加をベースとした運営に改めました。珍しいことですが、改革に対する反対意見はまったく出ず、保護者や教職員からは応援や感謝の声が多く寄せられたといいます。

そんなN小PTAが2021年度から始めたのが「誰でも参加できる企画・運営ミーティング」です。数カ月おきに開催し、参加者は4、5人のこともあれば10数人のことも。役員さんや先生(校長・教頭)より、一般保護者のほうが多いことも珍しくありません。

「初回のミーティングは、平日の夕方から2時間やりました。子どもたちの登下校の安全面の話や、親子で参加できるイベントの案のこと、放送委員会(児童)のお昼の読み聞かせや、学校ポータルサイトのブログについてなど、いろんな話題があがった記憶です」(元N小PTA会長・Sさん)

参加した保護者からは「ざっくばらんに聞いたり話したりできて、すごく雰囲気がよかった」「飛び入り参加したが、学校側と保護者側の垣根がなく、自由に意見を述べることができていて良い会だった」「こういうのが本来の形だなと感じた」などの感想が寄せられたということで、満足度の高さがうかがえます。

会議でのプレゼン
写真=iStock.com/SetsukoN
※写真はイメージです

子ども向け「熊対策安全教室」

ミーティングで出た案が実現することもあります。2022年度は、熊の出没が増えていたことから、子どもたちに向けて「熊対策安全教室」を行うことになりました。昨年度(23年度)は初めてのオンラインミーティングを行い、地域の危険個所の問題から性教育のことまで、さまざまな話が出たとのこと。

PTA活動って、こういうので十分では? と筆者は思うのです。話をしたい保護者同士が集まって、やりたいことが出てきたらそれを実現する。そんな「土台となる場」さえあれば、別に毎年何人もの「委員」を選んだりする必要はないように思えます。