共産主義国ゆえのリスクもある

【エミン】でも、さすがに日本ほどのハイレベルなインフラは望めない。例えば、TSMCが6ナノの最先端半導体をベトナムでつくれるかといえば、それは無理です。

もう一つは、そこまでの最先端の部品の製造を共産主義の国には任せない、と考えられるのです。

また、ベトナム株投資についてもベトナムはMSCIのカテゴリーでまだフロンティア市場であり、エマージング市場でもありません。来年エマージング市場に昇格される可能性があります。

その前に投資するという手もありますが、ちょっとリスクは高いです。エマージング市場に昇格されてからでも遅くはないと思います。

インドとは距離を置いてつき合うほうがいい

【大橋】次にインドについての評価を聞かせてください。

【エミン】少し懸念を抱いているのは、政治の側面ですね。最近、モディ首相はヒンドゥー・ナショナリズムにかなり傾斜している気がします。

あるいは、今回のウクライナ戦争への対応においても、インドは必ずしも欧米側に付いているとは限らない動きを見せています。

インドとはある程度距離を置いて、気を付けてつき合ったほうがよさそうです。

インドの地図
写真=iStock.com/KeithBinns
インドとは距離を置いてつき合うほうがいい(※写真はイメージです)

さらに一般論として、新興国については、政治的にいつ何が起きるかわからないというリスクが高いものです。そうなると特に個別株に影響が生じる可能性があるので、インデックスの投信商品のほうが安全でしょう。