手軽に掃除ができて滑りにくい床

雨の日など、家のなかでも思い切り遊ばせてあげたいけれど、体を痛めることがあっては困ります。そのためCさんは、手軽に掃除ができて滑りにくい床をリクエストしてきたのでした。

そこで床材は、ペット用の滑りにくい材質のものを選択しました。

中型犬が自由に遊べるように、5畳のキッチンをつぶして大きなリビング・ダイニングに。キッチンは和室だったところに移し、すべてフラットにして犬が負担なく動きまわれるようにしました。

Cさんは、バリアフリーの床のメリットを生かしてロボット掃除機を購入。床掃除を始めて充電器に戻るまですべて自動で動きます。

これで犬は思い切り遊べるし、Cさんはペットが落とす抜け毛の掃除に追われずに済みます。

家の床に寝そべる犬とロボット掃除機
写真=iStock.com/Aleksandr Potashev
※写真はイメージです

シェルフの一角を犬の体高に合わせる

ほかにも、犬のための工夫を随所に凝らしましたが、ほとんどが、愛犬のことを親身になって考えるCさんの要望から生まれたアイデアです。

ダイニング・テーブルの横に大きな鏡をつけたのは、「覗き込まなくても、下で寝そべっている犬のようすを見られるように」というリクエストからの工夫でした。

私のいつものプランであれば、扉つきにするところを、オープンシェルフにしたのは、「じゃまにならない場所に犬の水飲みスペースをつくりたい」というリクエストによるものです。

床に置いてある犬の水入れを、うっかり蹴飛けとばしてあたりを汚すことがよくあるという話だったので、シェルフの一角を犬の体高に合わせたものにしてみました。

すると、犬が半身を棚のなかに入れて飲んだり食べたりできるスペースができあがりました。

シェルフの裏はシンクなので水の入れ替えもえさの用意も楽にできます。これまでは「部屋のなかに唐突に置かれていた」という犬のおもちゃ箱も、ここに入れることで片付きました。