家の外に居場所を持つ

3つ目のステップが、家庭の外に居場所を持つことです。

私はよく、「家庭の疲れは、家庭の外で発散してください」と伝えています。自分の趣味や居場所を持ち、自立していくことは、カサンドラ症候群にならないためにも大事なことです。

一般的に、人間関係に悩みを抱える人は、相手のことで頭がいっぱいになりがちです。ですから、まず相手に向けている視線を「自分」に向けるようにするのです。仕事に没頭してもいいし、お気に入りのカフェで一息ついたり、緑の多い公園で過ごしたりしてもいいでしょう。家の外に、自分がリフレッシュできる場所や行動を持っておくことが、一番の予防法であり治療法にもなります。

別居や離婚も選択肢の一つに

ただ、こうしたステップも、渦中で苦しい思いをしていると、なかなか実行できないかもしれません。その場合は、精神科医やカウンセラーなど、第三者に相談してみてください。一人で抱え込まないようにしてください。

誰しも限界はありますから、自分のキャパシティーを超えそうになることもあります。いろいろ試した結果無理だったならば、その場を離れ、相手と物理的に距離を取るしかない場合もあるでしょう。最終的には、別居や離婚を選択肢に入れてもよいと思います。

自分の心身の健康を犠牲にしてまで、一緒にいることにこだわる必要はありません。理想像からは離れるかもしれませんが、自分たちにとって最適な距離感を探してほしいと思います。その結果、別居や離婚ということになっても、それは決してダメなことではないはずです。

(構成=池田純子)
【関連記事】
「入社直後は優秀だったのに…」期待のホープをパッとしない"指示待ち社員"にしてしまう"優秀な上司"の罪
かつての「普通の人」が、現代では「心を病んだ人」に…先進国で精神疾患が増え続けている"本当の理由"
扉をバンッと閉めて怒りをぶつけてくる…精神科医が教える「不機嫌がダダ漏れの人」に対抗する簡単な方法
学校が教える「みんなと仲良くしなさい」は大嘘…精神科医「グループに苦手な人がいたらとるべき態度」
「精神科医が見ればすぐにわかる」"毒親"ぶりが表れる診察室での"ある様子"【2021下半期BEST5】