再生エネルギー事業が地域分断を助長する危うさも

上述したように、泥水や雨水の流出、開発場所に関係する災害発生、騒音、反射、景観悪化等の懸念、火災発生の懸念、地域住民への説明不足、盗難多発など太陽光発電を巡るトラブルが多発している。

さらに悪いことに、この先、太陽光パネルの大量廃棄問題や、売電価格下落による事業者の離反や業績不振も想定される。

太陽光など、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている「再エネ賦課金」が2024年4月から値上がりし、国民負担が増していることへの批判も多い。また、太陽光パネルの多くは中国製が占めることから、わが国の経済安全保障の観点から問題視する声もある。

いずれにせよ、政治や経済安全保障、住民間の対立、法的な問題なども絡み、地方銀行や地銀「電力子会社」が、主体的に関与し解決できるような問題ではない。

地銀が、脱炭素化や地域振興のためという大義名分のもと、新たに始めた太陽光発電など再生エネルギー事業が、地域分断や環境破壊の助長にも成りかねない危うさも残る。

地球から生えた芽
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赤字「地銀電力子会社」を収益化できるか

地銀は、人口減少や低金利、ネット銀行など異業種の進出により先行きが厳しいなか、電力子会社や地域商社など銀行本体以外の業務に対する期待は大きい。

もっとも、こうした子会社の大多数は、設立から間もないこともあり赤字だ。子会社としていかにして事業を軌道にのせ黒字化し、収益貢献していくかが今後の課題だ。まずは、現状ほとんどない業績や収益計画の開示から進める必要があろう。

地方銀行や地銀「電力子会社」が、PPA事業など太陽光発電の発電と供給などを通じて、地域社会における脱炭素化の促進、再生エネルギーの地産地消化を図ることで、持続可能な地域経済の活性化をいかに実現させるのか、決して平たんな道ではなさそうだ。

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