「最期の過ごし方」を周囲に伝えておくことが大切

もし、こんなことが現実に起こるとわかっていたら、あなたはどんな準備をするでしょうか。

きっと、「90歳くらいまで長生きしたら、倒れても何もせずにそのまま死なせてほしい」「たとえ、餅を詰まらせて死んでも悔いはない。心臓マッサージも人工呼吸器もつけないでほしい。そのまま自然の流れに任せていいから」と、自分の最期の在り方についての希望を家族に伝えるでしょう。

木村まり『幸せに人生を終えた人から学んだこと』(自由国民社)
木村まり『幸せに人生を終えた人から学んだこと』(自由国民社)

家族は、あなたの言葉に「何言ってるの」とあきれたような顔をするかもしれませんが、「90歳くらいまで生きられたら自然に死にたいと思っているんだな」というあなたのビジョンを知ることができるのです。

まさかのときはいつ起こるかわかりません。ですから、自分がそのときはどうしてほしいかを、あらかじめ周囲に伝えておくことが大切です。

あなたの希望がわかっていれば、残される人たちも、本人の希望を叶えようとしてくれるでしょうし、一緒に最期の過ごし方を考えることだってできます。

終活で葬式やお墓の準備、片づけや不要品を処分して身辺整理をすることも大切なことです。ですが自分がこの世を去った後の準備だけではなく、この世を去るまでの最後の10年間をどう生きたいのかを、ぜひ愛され高齢者の方々のように想像する力を発揮して考えてみてください。

幸せな人生の終末を迎えられるかどうかは、自分がどれだけ準備をしているかで決まります。「いい人生だった」と思いながら最期のときを迎えられるように、今のうちから考えておきましょう。

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