グミは食感も色も形も自由自在に変えられる

調査会社インテージの市場規模データによると、販路別では、コンビニエンスストアが350億円(2021年比23.7%増)で最大のグミの販売チャネル。これに食品スーパーが291億円(同20.3%増)、ドラッグストアが119億円(同24.8%増)で続く。

白鳥和生『グミがわかればヒットの法則がわかる』(プレジデント社)
白鳥和生『グミがわかればヒットの法則がわかる』(プレジデント社)

では、商品別の売れ行きはどうなのか。日経POS情報の、2022年9月~2023年8月の販売ランキングによると、関東のコンビニエンスストアでは、カバヤ食品の「タフグミ」がトップで、明治の「コーラアップ」、ハリボー「ゴールドベア」、ノーベル製菓「男梅グミ」、カンロ「ピュレグミ グレープ」が追う格好だ。

また、全国のスーパーマーケットでは、ハリボーの「ゴールドベア」がトップ。これにカバヤ食品の「タフグミ」、明治の「ポイフル エンジョイパック」、同じく明治の「果汁グミ ぶどう」が続いた。

グミは食感やフレーバー、色、形が自由に変えられ、乳酸菌やビタミンなど、様々な成分を配合できる点が魅力だ。その分、グミはSKU数が多く、上位のシェアもスーパーマーケットでは2%未満なので、順位の入れ替わりが激しい。

セブンは「全部グミの棚」を設置

ここ数年、ハード食感のグミが人気になっている。通常よりも大粒の立方体のグミで、かみごたえのあるカバヤ食品の「タフグミ」のほかにも、カンロの「カンデミーナグミ スーパーベスト」、UHA味覚糖「忍者めし鋼 コーラ味」などがランキング上位に入った。「カンデミーナグミ スーパーベスト」は、かむ方向によって食感が変わるように、形を波状にするなど工夫を凝らしている。

好調が続くグミ市場に対して、小売り各社も売り場を広げている。セブン‐イレブン・ジャパンは段階的にグミの陳列量を増やしており、1本の棚すべてをグミが占める。コロナ禍前の2019年に比べると2倍に達する。定番商品のほか、甘くないグミなど商品数を増やした。

プライベートブランド(PB)では、グミをチョコレートでコーティングした「チョコっとグミ」を2023年4月から売り出すと、新食感が支持を集め、SNS上で話題となった。