重要な場面で全力を出すために「2:8」でエネルギーを配分

要領がいい人たちは、すべてに全力を投じるわけではなく、エネルギーの配分を賢く行っています。彼・彼女らは、サッカーの名選手リオネル・メッシのプレースタイルを彷彿とさせます。

実はメッシは試合中、常に全力で走っているわけではありません。ゴールへの瞬間的なダッシュや、試合の行方を左右する決定的なシーンでのドリブルなどで力を発揮しているのです。それ以外は、結構休んでいたりします。

コワーキングスペースで一息つくアジア人ビジネスマン
写真=iStock.com/mapo
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これは単にサボっているわけではありません。

「力の入れどころ」、つまり重要な場面で全力を出すために余力を蓄えているのです。

緩急のコントロールが巧みなこのアプローチは、「パレートの法則」とよく似ています。全体の20%の努力で80%の成果が得られるというこの法則は、重要なタスクにエネルギーを集中させることの必要性を示しています。

要領がいい人たちは、この20%のタスクに焦点を当て、残りの80%には適度な労力を割り当てます。

たとえば、メールの対応を考えてみましょう。

要領がいい人は、すべてのメールに同じように時間をかけるのではなく、特に重要な文面のみ集中して作成し、「いつもお世話になっております」などといった定型文は、予測変換で対応しています。

また、要領のいい営業マンは、成約の可能性が高い顧客に対して優先的にアプローチしています。成約の可能性が低い顧客に同じ労力は割かないでしょう。

このように、要領がいい人たちは、「力の入れどころ」を見極め、自分の力を最適に配分しています。必要なときに必要なだけ力を発揮することで、効率的かつ効果的に目標を達成します。

長く働くためにも緩急のコントロールは有効

緩急のコントロールは、「いざ」というときに力を発揮することに役立つだけでなく、持続可能なパフォーマンスを維持することにもつながります。

疲弊することなく、長期的な成功を収めることができるのです。

現役時代を長くしたいと願うのは、サッカー選手に限った話ではなく、ビジネスパーソンも同様です。