まずは仕事の依頼をすべて受けるのをやめた
確かに、依頼が増えることは嬉しいことです。しかし、仕事を選ばずに受け、目の前の仕事を必死にこなしていると、同時に自分がすり減っていくような感覚を覚えました。
「すぐやる」ことは、仕事をするうえで大切な習慣ですが、私は「自分がやらなくてもいいこと」ですら、力を入れて取り組んでいたことに気がつきました。
その後、私は仕事の依頼をすべて受けるのではなく、自分の興味や気分に合わないものは断るようにしました。
また、メールの即時返信をやめ、特定の時間に集中してチェックするように変更しました。
このように、いくつも「やめること」を決めたことで、集中力が増し、最小限の努力で成果が出るようになってきたのです。
そうした経験から、「忙しさが必ずしも価値につながるわけではない」ことを学びました。
仕事で求められるのは嬉しいものです。しかし、これは罠でもあります。
忙しいと、何かをしている気になるのですが、忙しさに溺れてしまうと、成果につながる仕事や、自分にとって価値のある活動に集中できなくなるのです。
だからこそ、「何をするか」よりも「何をしないか」を明確に決めることが重要なのだと、身をもって理解できました。
その仕事をやらなかったらどうなるか、自分に問いかける
そうはいっても、「手を抜けない」「人に仕事を任せられない」から、「やること」と「やらないこと」を明確に分けられずに、タスクを抱え込んでいる。そんな人は少なくないと思います。
「やること」と「やらないこと」を区別するにあたって、まずやってみてほしいことがあります。
それは、「その仕事をやらなかったら、どうなるか?」という自分への問いかけです。
その仕事をやらなかったとしたら、どんな影響が出るだろうか?
それをしないと、仕事が成立しないのか?
その仕事は、自分(あるいはチーム)の目標達成に必要なことなのか?
改めて自分に質問してみましょう。
案外、すでにいらない社内慣習だったり、新しい方法に置き換えられることがわかるのではないでしょうか。
であれば、慣習そのものを廃止したり、新しく提案することで改善できます。
本当に重要なことを見極め、やらなくてもいいことを遠ざける。これが、人生を豊かにする秘訣です。
この問いかけは、自分自身の目標達成に集中するために「やらないこと」を決める第一歩です。
要領のいい人は、時間を浪費するものからなるべく距離を置き、自分にとって最も価値のある活動に時間を費やします。
あなたにとって何が重要なのかを特定してください。それがわかれば、それ以外のことはあなたの人生にとって大きな意味を持たないことがわかります。