原発事故に関するデマは「ヘイトスピーチ」か

法務省の人権擁護局にも相談した。人権擁護局は(特定の民族や外国人に対する)「ヘイトスピーチ許さない」との標語を強く繰り返し掲げている。

そこで、東電原発事故に関連した数々の風評加害やデマの具体例を提示したうえで、「ALPS処理水や福島の除染処理土への非科学的な『汚染』呼ばわりが人権侵害やヘイトスピーチに該当するか否か」回答を求めた。

すると、《個別具体的な言動が人権侵害やヘイトスピーチに当たるかどうかについては、対象となる言動の文言のみならず、当該言動の背景、前後の文脈、趣旨等の諸事情を総合的に考慮して判断されることとなるため、法務省(法務局)の立場としてお答えすることは、差し控えさせていただきます。いずれにしても、被災者の方々に対する偏見、差別はあってはならないものと認識しており、こうした言動のない社会の実現に向けて、国民の理解を得られるような人権啓発活動等に、しっかりと取り組んでまいります》との返答が得られた。

一方で、法務局の具体的取組みについては、《法務省の人権擁護機関では、令和5年度の啓発活動強調事項として「震災等の災害に起因する偏見や差別をなくそう」を掲げ、法務省ホームページでの人権啓発動画の掲載等の各種啓発活動を実施しています。

また、福島地方法務局においては、令和3年6月に東日本大震災に起因する偏見や差別の防止に焦点を当てた人権啓発動画を作成し、法務省YouTubeチャンネルで配信しているとともに、当局のホームページのトップ画面においても、人権啓発メッセージを掲載しています》との説明があった。

風評加害者らが自ら法務局HPを検索して訪れ、動画を閲覧し、反省し、風評加害を止めるのだろうか。

抗議活動
※写真はイメージです
原発事故に関するデマは「ヘイトスピーチ」か(※写真はイメージです)

中国共産党幹部と処理水放出反対で一致した社民党の福島瑞穂氏

2024年1月19日、社民党の福島瑞穂党首は中国共産党序列4位の王滬寧おうこねい政治局常務委員と北京市内で会談し、この期に及んでALPS処理水の海洋放出反対で一致したことを改めて表明した。

「人類共通のものなので海を汚すべきでない」とした王常務委員に対し、福島瑞穂は「処理汚染水が放出されないよう止めていきたい」などと訴えたという。

福島瑞穂の活動に対し、中国の軍事戦略に詳しいジャーナリストの峯村健司は《王氏は相手国の取り込みや分断を図る統一戦線工作のトップ。まさに術中にはまっています》と述べた。