効果のある時間を買うのは、生きたお金の使い方

では次の「ご褒美にお金を使う」のはどうでしょう。何かやり遂げたとき、仕事を頑張ったとき、いつもより少し高価な食事や、飲み物、あるいはちょっとしたアクセサリーなどを自分へのご褒美にすると、幸せな気持ちが高まります。

自分だけでなく、子どもや友人などにも、一生懸命頑張ったらご褒美をあげるのも、人との結びつきを強めます。

三番目の「時間を買う」は、より大切なことに時間を使うためにお金を使うことです。

たとえば、忙しいワーキングマザーがお掃除サービスや料理のテイクアウトを利用するのはけっして無駄使いではありません。

それによって子どもとゆっくり過ごす時間が生み出せるし、疲れすぎてイライラしないですみます。そんな効果のある時間を買うのは、生きたお金の使い方だと思います。

掃除をすると気分転換になってすっきりし、幸せを感じるという人はお掃除を外注しないでしょうし、料理が大好きな私は外食より家で調理するほうが好きですから、外食やテイクアウトはあまり利用しません。

人によって時間の価値は異なるので、自分が幸せな時間だとは思えない時間を減らすためにお金を使うのです。

ビルゲイツ、ザッカーバーグが財団をつくり寄付をする理由

「いま払ってあとで消費する」というのは、たとえばパック旅行に申し込む、予約でディズニーランドやコンサートのチケットを手に入れることなどです。実際に楽しむのはいま現在でなくても、行くまでの楽しみでワクワクして幸せになります。

一番すばらしいお金の使い方は「他人のためにお金を使うこと」だそうです。利他的なお金の使い方が一番満足感が高くなるのです。

マイクロソフトの創業者で億万長者のビル・ゲイツは、自分の財産でビル&メリンダ財団をつくり、世界中の子どもたちを助けるなどの公益活動にいそしんでいます。

フェイスブック(現メタ)創業者のマーク・ザッカーバーグも、子どもが生まれたのを機に、資産を寄付しました。

アメリカでは大富豪は公益的事業に寄付するべきだという文化があって、自分の能力を十分に発揮してバンバンお金を儲けるが、そのお金を財団をつくったり寄付をして税金として国に納めるより世のため人のために使うのが、もっともかっこいい生き方だとされています。

大富豪でなくともふつうの人にも寄付文化が根づいており、大学や公益団体に多くの寄付が寄せられています。

寄付金でいっぱいの瓶とThank youと書かれたハート
写真=iStock.com/CatLane
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