接客が過剰すぎないユニクロ、ジーユー
衣料品業界、特に小売り部門では「接客」を重視します。もちろん接客は必要不可欠ですが、マス層には洋服店の接客が苦手だという人も少なくありません。個人的にもガツガツ積極的に接客される洋服店は苦手なのでなるべく入店しないようにしています。スーツなどを買おうとする場合はキチンと接客してくれる店を選びますが、特に目的もなく、商品を見るためだけに入りたいときは接客の強い店は敬遠します。
ユニクロ、ジーユー、無印良品など低価格でセルフ販売っぽいブランドがマス層の支持を集める傾向にありますが、その理由の1つに接客の少なさがあると考えています。
これらの店は目的もなく冷やかし程度に見に入ることに抵抗を感じません。理由は接客されないからです。これこそ接客がない店の究極型です。洋服店にあまり行かない人でも必ず利用したことがあるほど馴染み深い店です。コンビニに入店することに対して抵抗を感じる人は皆無でしょう。ユニクロ、無印良品以上に入店しやすい店がコンビニだといえます。
そして、そこそこの安値(429円)で靴下が売られていれば試しに買ってみようかという人は相当数いるでしょう。今回のカジュアルウェアも、恐らくはそういう心持ちで入店して試しに購入してみるという人が少なくないでしょう。
洋服店の接客が不要だとは言いませんし、必要不可欠だとも思っていますが、低価格セルフ販売ブランドの堅調さ、コンビニでの靴下販売の好調さなどを見ると過剰な接客を苦手とする層が一定数いるということがわかります。
コンビニで展開できる衣料品には限りがある
ただ、コンビニウェアも手放しに明るい未来が待っているとも一概にはいえません。
すでにローソンが後追いでフリークスストアとコラボした服の販売を開始しており、今年1月からコラボ商品として「インスタントニット」を発売しています。この成否によってはコンビニ服の競合は激化するでしょう。
またファミマはコンビニ服の型数をさらに増やしており、すでにショートパンツ類を新規投入しています。品番が増えると、従来の主力商品である食品や飲料水などの陳列スペースが狭まることになります。無限に服の品番数を増やすということはできません。そのあたりのバランスをどう取るのかが課題になります。