ネット通販の流行で「試着なし」にも抵抗がない

現状のコンビニウェアの販売方法はたたんでビニールに包んでラックに吊るすもので、試着室はありません。試着なしでお客に買ってもらうためには、体のラインに沿うようなピッタリサイズの服ではなく、「大は小を兼ねる」で、ある程度大きめのオーバーサイズになります。

試着室
写真=iStock.com/SilvaPinto1985
※写真はイメージです

実際に今春に限定店舗で投入されたボタンダウンシャツは「男女兼用」と袋に印字されており、Lサイズで首周りが45センチとなっていました。通常のブランドのメンズシャツはLサイズかLLサイズで首周り43センチですから、ファミマのシャツは大きめに作られていることがわかります。

試着なしでお客に洋服を買ってもらうということは元来非常にハードルが高く、売れない可能性が高いのですが、コンビニ服がある程度順調に売れているのは、ネット通販の普及が理由の一つとして挙げられます。ネット通販では当然ながら試着などできません。この方式に違和感を覚えない人が昔より増えているのでしょう。

一昔前だとコンビニ服は確実に失敗に終わったでしょう。ただ、現在は大きめサイズの流行に加えて、ネット通販の定着により試着なしで服を買うことに慣れた人や、接客のない売り場を好む人への需要が見込めることから、今後定着する可能性は低くないと考えられます。

仮にコンビニ服がひとつのジャンルとして定着するなら、衣料品業界の常識は大きく覆されることになるでしょう。

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