前頭葉と頭頂葉の両方を鍛える

ほとんどのみなさんが、脳の働きというと思考や行動、遂行能力をつかさどる前頭葉を鍛えようと働きかけますが、じつのところ車を運転する技術に関しては、視覚イメージングとエピソード記憶に関係する楔前部を鍛えなければならないのです。

人間は視覚によってとらえた情報と、過去にうまく運転できた、あるいはできなかったなどの経験則を瞬時に結びつけることで、適切に安全な運転が行えています。

少し難しい話が続いてしまいましたが、要するに体を動かして物事を遂行する「前頭葉」と安全運転には欠かせない楔前部が位置する「頭頂葉」の両方を鍛えることがとても大切ということです。

青く光る脳
写真=iStock.com/metamorworks
前頭葉と頭頂葉の両方を鍛える(※写真はイメージです)

脳全体を活性化する「グーパー足踏み体操」

各々が足りていない運転脳を重点的に鍛えることももちろん大切ですが、まずみなさんに取り組んでいただきたいのは脳全体を活性化させる「グーパー足踏み体操」です。

脳のトレーニングというものはテスト勉強と同じで、どれかひとつだけに特化して満点を取れたとしても、総合点で基準を下回ってしまっていては意味がありません。

また、脳の部位というものはそれぞれが緻密にかかわり合っているので、すべてを平均的に鍛えることができれば、その効果は2倍、4倍と幾何級数的な成果をもたらすことが期待されます。