指定校推薦枠に飛びつくと後悔する可能性
以上、6つのルートでメリットとデメリットをまとめてみたが、一発勝負の一般入試を除けば、どのルートもある種の曖昧さを含んでいるので注意しておきたい。
指定校推薦の場合、地域のトップ校や準トップ校には、早慶上智やMARCH、関関同立クラスの推薦枠があるが、推薦枠がない高校は、中堅以下の私立大学の中から出願先を選ばなければならなくなる。
高校生の中には、「後伸び」(高校入学後、学力がアップ)する子どもも大勢いるため、焦って指定校推薦枠に飛びつき、中堅以下の大学で妥協してしまうと、先々、後悔することになるかもしれない。
また、指定校推薦入試や学校推薦型選抜入試の場合、評定平均値が同じ子どもが一枠を争うような場合、どうしても学校受けが良い子が有利になったり、いまだに地元の名士の子女が優先されたりする事例も存在するので留意しておこう。
大学付属校は「銅メダル」狙いと同じ
本書を手にされている皆さんの中には、子どもを大学の付属校に通わせているという方も多いと思う。そうでない方は、この項は読み飛ばしていただいて構わない。
率直に言えば、付属校から系列の大学に進学することは、オリンピックなどで言う「銅メダル」狙いと同義だと思っている。
確実にメダルを狙える点ではプラスだが、それ以上の「金メダル」や「銀メダル」を諦めなければならないデメリットも存在する。
「中高一貫の6年間で考え方が変わり、学力も伴ってきたので、本当は○○大学に進みたいのだけど、系列の大学に進んだほうが確実で楽」
という気持ちに傾いてしまうと、誤った選択をしてしまうリスクもはらむ。
たとえば、系列の大学に医歯薬系の学部がない、音楽系の学部がない、あるいは、系列の大学よりも難易度の高い他の私立大学や国公立大学に進学したいと考えるようになったケースなどがこれにあたる。