ほかのルートを選ぶと「いい顔」をされない

大学付属校の場合、もう一つリスクが存在する。

筆者が、自分の子どもの受験で経験したことだが、大学付属校の中で系列の大学への進学を前提にしている高校の場合、指定校推薦入試はさておき、学校推薦型選抜入試や総合型選抜入試で他の私立大学を受験しようとすると、

「学校側としては一校しか書類は作りませんよ」
「他大学を受けるということは、系列の大学への推薦は辞退すると考えていいですね?」

などと、平たく言えば「いい顔」をしてもらえないのだ。

外部受験を後押ししてくれる付属高校もある

子どもが通う大学付属の中高一貫校から系列の大学への進学率が高い場合、同様の問題に直面する可能性が高いので、早めに確認しておきたい。

もっとも、近頃では、大学付属校の中にも、他大学への進学に寛容な高校、あるいは、むしろ積極的に後押ししている高校も増加している。

◇他大学への進学が容易な大学付属校
○大学への内部進学資格を留保したまま、他大学受験ができる高校
首都圏では、明治、中央、法政、学習院、成蹊、明治学院、日本女子、大妻女子、共立女子の付属校など。関西圏では、関西、同志社、立命館、甲南の付属校など。「系列の大学にない学部であれば」「2大学2学部まで」、もしくは「高校3年の12月までに結果が分かる総合型選抜入試や学校推薦型選抜入試であれば許可する」といった条件つきの学校が増加

このほか、中堅の日東駒専クラスの付属校の中にも、日大二高や専大松戸高など、他大学への進学率が内部進学を上回っている高校は多い。

早稲田高や早稲田佐賀高など早稲田系列の高校でさえ、東京大学や京都大学など他大学への進学に力を入れている。

私立の中高一貫校は、難関大学や有名大学への「進学実績」を中学受験層にアピールしようとするところと、系列の大学に進学させようとするところに二極化している。

「外へ出る」というなら、子どもが通っている付属校がどちらのタイプかを把握し、ギリギリまで二股をかけたうえで判断するのが上策と言えそうだ。