表敬訪問で「磐田は浜松より文化が高い」と発言
3月13日午前、磐田市を本拠地とする女子サッカーなでしこ1部リーグの「静岡SSUボニータ」の監督、選手らが、静岡県庁の知事を表敬訪問した。
その席で、川勝知事は「磐田は浜松より文化が高いんですよ。浜松よりもともと高かったわけでしょう。こういった言い方すると語弊がありますけども、歴史的にはね、天竜川の東側の方が中心だった」と発言。またサッカー強豪校で知られる藤枝東高に触れて、「ボールを蹴ることが一番重要なんですよ。勉強よりも。何よりも」などと発言した。
さらに、サッカー男子日本代表チームの愛称に「サムライ」がつく理由が武士道に由来するとの説明で、「やっぱり男の子はお母さんに育てられるし、お母さんが持っているんです」と好き勝手な意見を披露した。
知事発言の真意は不明だが、静岡県を代表する知事としては、あまりにも不用意な発言であるのは間違いない。
県議や記者が「差別発言だ」と問題視
当日午後の定例会見で、女子サッカーチームの表敬訪問を取材した記者が、一連の発言は不適切ではないのかとただした。
これに対して、川勝知事は「相手が不快に思われたり、相手に無礼を働いたりしたら問題があるが、そういうことはなかった」と発言の修正、撤回など必要はないと退けた。
ところが、今回の知事発言に自民党県議団が「特定の地域を比較して、一方を侮辱した」などと反発した。
3月18日の県議会最終日、提出議案の採決前の討論の中で、自民党県議が「文化が高い、低いとの表現は重大な差別発言だ。知事と県民の意識にかつてないほどの隔たりができている」などと異例の苦言を呈した。
さらに公明党県議も「知事の立場にありながら他人や自治体を自分勝手な基準で評価し、思いのまま発言するのは許せない」などと怒りをぶつけた。
この2人の県議の意見が一般的な社会の常識なのだろう。
ただ県議会では、知事に意見を求める場面がなかったため、26日の定例会見で、記者たちがあらためて、今回の知事発言を追及した。