「カジュアルな英語」と「野球やサッカー」は大違い

親御さんへのアドバイス

お稽古事は、内容によって必要な時間と労力がかなり異なります。

例えば、1回1時間程度のカジュアルな英語ならば、ほぼ負担になりません。

一方、野球やサッカー、スイミングは、1回あたりの時間も体力も大きく消耗します。

よって「この時期になったらお稽古事は整理すべし」とは一概に言えませんし、お稽古事が子どもの息抜きや励みになっているならば、それを一方的に取り上げることはできません。

ただ、勉強とお稽古事の両立が大変になるタイミング、つまり受験生のハードさが一段上がる時期はあります。それは次の4つです。

○新5年生 塾の日数が増え、宿題量が増え、難度が上がる。
○5年生秋 夏期講習後はさらに難度が上がり、学校が始まると両立が難しくなる。
○新6年生 塾の日数が増え、宿題量が増え、難度が上がる。
○6年生夏 夏期講習の拘束時間が長く、宿題も多い。

もちろん、これらは一般論です。このタイミングでスパッと見切りをつけるのではなく、実際に両立してみた上で、成績が下がってきた、元気がなくなってきた等「やっぱり難しそうだ」となった時が、話し合うタイミングです。

やめづらい“チームスポーツ”との付き合い方

さて、お稽古事の中でもチームスポーツとの付き合い方は非常に悩ましいですよね。本人が続けたいと強く思っている場合はさておき、本当はやめたいと思っていても「誰もやめないからやめにくい」「ポジション上やめられない」という葛藤があったりします。

また、模試と試合が被ることが頻繁にあり、「試合には勝ち進んで欲しいけれど、そうすると次の模試も受けられない」「模試を受けさせたいから雨になって欲しい」等、アクセルとブレーキを同時に踏むようなジレンマに陥ります。

夜のグラウンドでサッカーをしている10代の日本人少年
写真=iStock.com/RichLegg
※写真はイメージです

チームスポーツは人間関係も絡むため、“我が家の事情”と割り切ることも難しく、どのご家庭も本当に悩まれていました。

しかし、やはり最後は「本人がどうしたいか」。続けるメリット、デメリットをお稽古事、受験の両側面から家族で徹底的に話し合い、「やめるならば後悔しない」「続けるならば両立させる」と腹をくくって前を向くことが大切だと思います。

ちなみに、お稽古事をやめると「さあ、これで勉強に集中できる」と親は肩に力が入りますが、子どものスイッチはそう簡単に入りません。

今までは短期間で集中して取り組んでいた勉強も、時間ができることでダラダラし始めます。これは生活ペースが大きく変わるためです。1~2カ月間は様子を見てあげてくださいね。