子供が勉強して、本番で力を発揮するにはどうしたらいいか。中学受験カウンセラーの安浪京子さんは「緊張するのは悪いことではなく、ごく自然な心の動きだ。変えられるのは『感情』ではなく『行動』である。例えばあらかじめ心拍数を上げておくと、その後に再度心拍数が上がっても、過剰な反応を抑えることができる。校門をくぐるときに口から心臓が飛び出そうな事態は免れるために、入試当日、家を出る前に100メートル・ダッシュや縄跳び、階段を使った踏み台昇降などで心拍数を上げておくといい」という――。
※本稿は、安浪京子『勉強とメンタルの悩みを解決!【決定版】中学受験をするきみへ』(大和書房)の一部を再編集したものです。
“ネガティブな思いこみの毒抜き”をする
「本番が怖くて眠れない」
このように子どもたちが訴えてくるのは、直前期だけではありません。5年生の冬、6年生の夏と、時期はさまざまです。
眠れないほどでなくとも、子どもには本番のことを考えて怖くなるときが必ずあります。しかし、ネガティブな思考そのものは決して悪いことではありません。「このままじゃ受からない」という不安や焦りは、勉強に向かう原動力にもなります。
ここで問題なのは、そのネガティブな思考を「信じこんでしまうこと」です。もしお子さんの発言や雰囲気から「本番に対して恐怖心を抱いている」と感じたら“ネガティブな思いこみの毒抜き”をしましょう。
まず、なぜ本番が怖いのかを考えてもらい、具体的な現実に落としこみます。そしてネガティブな思いこみと逆の考えを持ってもらうのです。
(例)本番で難しい問題が出て、頭が真っ白になったらどうしよう
テストは難しい問題ばかりじゃないよね? 必ず簡単な問題もあるよね? 入試はみんなが取れる基本的な問題が解ければ合格できるから、難しい問題を完璧に解く必要はない。もし難しさを感じたら、その問題は合格には不要だから飛ばせばいいよ。
(例)不合格だったら、みんなにバカにされそう
みんなって誰のことかな? 塾や学校の子全員がバカにするのかな? もし不合格でも、塾の子とその後会うことはないだろうし、学校では結果について話す必要はないよ。それに、一緒に落ちこんでくれたり、励ましてくれたりする友達もいるよね。
そういう友達のほうが大切じゃないかな。