海外の名門大学で優位に立つ「海外留学マウント」

「コンサルタントとして思うようなパフォーマンスが発揮できず、逃げるようにしてハーバード留学を決めました」
➡海外に留学した経験を「逃げた」と自虐的に語ることによって、名門大学に進学した自分の輝かしいキャリアを見せつける
「スタンフォード時代の友人と久しぶりに話をしたんですが、自分にとってMBA取得は本当に貴重な経験でした」
➡MBA留学時代の友人と久しぶりに会ったことをSNSで報告し、海外留学を通じて知り得た人脈の大切さをうれしそうに誇る
「ハーバード時代、現地の習慣に慣れるのに時間がかかったけど、それが自分の適応力を鍛えるきっかけになりました」
➡海外留学のメリットをしきりに語ることで、自身が海外の名門大学出身であることをさりげなくアピールする
リベンジ留学の場合も
マウンティングポリス『人生が整うマウンティング大全』(技術評論社)
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海外の名門大学に留学し、その経験を上から目線で自慢する行為を「海外留学マウント」と呼ぶ。留学先としては、ハーバードやイェール、オックスフォード、ケンブリッジといった欧米のトップスクールが好んで用いられることが多い。

「海外留学マウント」を展開する人の一部は、短期留学しただけにもかかわらず、フェイスブックの出身大学欄に「University of ○○」などと記載し、留学先の大学をアピールする傾向がある。また、留学の目的として「自分自身を見つめ直す」「世界を変える」といった立派な内容を掲げることが多いが、実際は大学受験で志望大学に合格できずに学歴コンプレックスを抱えた人による「リベンジ目的」の留学であるケースも少なくないという指摘がある。

「読書マウント」「奥さんマウント」との親和性

「海外留学マウント」は「読書マウント」と相性が良く、「大学の図書館では本を1人3冊までしか借りられなかったけれど、ハーバードの図書館では1人100冊まで借りられるから、その分、読書量が格段に増えました」などと組み合わされて用いられることが多い。

「奥さんマウント」とも相性が良く、「MBA留学の是非がよく議論されますが、僕の場合、留学中に今の奥さんと出会うことができたので、役に立つ・役に立たないとかそういう次元の話ではないんですよね」などという形で用いられるケースもある。

ここ数年、海外留学の費用は高騰の一途をたどっており、留学中の貧乏生活を自虐気味にアピールするケースが見られる。一方で、「私の場合は奨学金をいただいているので、まだマシですが」などと述べ、自身の優秀さを垣間見せようとするケースも見られる。

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