おつまみにはからあげ、ローストビーフ、お刺身、湯豆腐を

ただし、知っておいていただきたいのが、適量飲酒という概念。アルコール飲料はWHOが認める発がん性物質です。アルコールの種類を問わず、純アルコール量として1日20g程度までがよしとされたりしています(各国で設定は異なります)。

また、梅酒や甘いジュースなどで割ったカクテルなどは糖質量が多いとお考えください。

そしてお酒はあくまでも食事をおいしく食べるための飲料です。

ハイボールとからあげ、ナッツ。ワインとチーズ、おいしいオリーブオイルをかけたカルパッチョサラダ。ロティ、ローストビーフ、お刺身、湯豆腐……。テーブルには、おいしいものをいっぱい並べてください。

繰り返しですが、ビールは単品では血糖値を上げます。お酒はお酒を飲むために飲むものではなく、食事をおいしくするために飲むものなのです。

【図表2】お酒の糖質量選手権
出所=『糖質疲労

ごほうびの「甘いもの」はどう食べる?

脳の健康、機能向上のために「甘いもの」を食べる必要があるとお考えの方も多いようです。その理由は、「脳細胞がブドウ糖を必要とするから」というものです。

確かに、脳細胞がエネルギーとして利用するメインは糖質です。

脳や脊髄、網膜など神経組織にある血管は、神経組織に血液から必要ないものが入り込まないように管理する、言わば「関所」のような機能を備えています。これが「血液脳関門」というはたらきで、脂質は血液脳関門を通過できません。

ほかには、赤血球もエネルギー源としてブドウ糖しか利用できません。脂質を燃やすために必要なミトコンドリアという細胞内器官が存在しないからです。

脳と赤血球が1日に消費する糖質量は約130g。体格や性別、運動量に関係なく、この量の糖質は身体としては必要ということです。

しかし、口から食べなくても、この必要量をまかなう仕組みが人体にはあります。肝臓が、様々な物質を材料として血液に放出するブドウ糖の量が1日約150g以上あるのです。

糖質は体にとって大切なエネルギー源ですが、この肝臓のはたらきのおかげで、脳や赤血球のために必要な糖質は、全く口から得られなかったとしても、不足することはありません。