※本稿は、山田悟『糖質疲労』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
糖質ゼロビール、焼酎、ウイスキーなどはOK
お酒がお好きな方は、何を飲むかも重要ですよね。お酒について述べると、血糖の観点からは「お酒は楽しむべし」です。蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ジン、ウォッカなど)は糖質ゼロなので、どのお酒も全く問題ありません。
一方、醸造酒は糖質を含みます。日本酒で1合あたりの糖質量は8~9gなので、主食を調整すれば2合までで晩酌が楽しめます。ビールについても、最初のジョッキ1杯(500ml)は気にせず楽しみ、2杯目からハイボールにチェンジするなど工夫してはいかがでしょうか。
糖質ゼロビールであれば、蒸留酒同様に全く問題ないことになります。ワインについては、辛口であれば、グラス1杯で糖質量は1gもありません。ボトル1/2本程度であれば糖質量としては5g前後です。
さらに、お酒好きの方には朗報があります。オーストラリアの研究者たちが実施した、このような研究があります。
パンと一緒に食べるなら、水よりビールのほうがいい
まず、最初に研究者たちは、アルコールドリンクを単品として飲んだ際に血糖値がどうなるのかを検証しました。すると、同じカロリー量で飲んだとき、ビールが一番血糖値を上げ、ワインとジンはほぼ血糖値に影響を与えませんでした(含まれる糖質量に応じて血糖値を上昇させていたので、予想どおりの結果でした)。
次に研究者たちが実施したのが、食事と一緒に飲むときに血糖値がどうなるかという研究です。パンと一緒に飲むドリンクとして比較した結果、ワインとジンが一番血糖値が上がらなかったのは当然なのですが、驚いたことに、パンとお水よりもパンとビールのほうが血糖値上昇が抑制されていたのです。
なぜ、糖質量では一番多くなるパンとビールよりも糖質量としてはワインやジンと同じになるはずのパンとお水のほうが血糖値を上昇させるのか、については明確な回答は出ていません。
私自身は、アルコールの作用で、肝臓からの糖新生(肝臓が24時間連続して行っているブドウ糖を血液に放出する作用のこと)が抑制されるからではないかと考えています。もちろん、バッカス(お酒の神様)がお酒好きたちを守ろうとしてくださっている可能性も捨てきれませんが……。