目上の相手にも萎縮せずに話せる人は何をしているのか。緊張しいから話し方のプロになった丸山久美子さんは「社内での役割を示す肩書きは記号であるから、本来的にはその人自身を示す名前にも目を向けるべきだ。そして、相手が社長でも『社長』ではなく『○○社長』と名前を添えて呼ぶ習慣をつけるといい。相手によっては『○○さんでいいよ』と言ってくれることもあるだろう。呼び方はお相手に合わせていくのがベストである」という――。
※本稿は、丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
名刺交換した後に相手が青ざめた理由
あなたは、名刺を受け取ったとき、真っ先にどこを見ますか?
私は肩書きに目が行きます。
あるセミナーに講師として登壇した際、こんなことがありました。
参加者の1人に、Aさんという方がいました。
Aさんは会場に入室した後、「上司にとりあえず行って来いと言われただけで、何のセミナーか知らずに来ました」と普通のテンションで話してくれました。私も「そうですか〜」とフランクに返しながら、2、3分なごやかに会話をしました。
ところが、名刺交換をした途端、Aさんが異様に緊張し始めて言葉を発しなくなったのです。
あとあと理由を聞いてみたら、
「社長に向かって失礼な態度をとってしまい、申し訳なくなって、話せなくなりました……」と言われました。
私の名刺には「株式会社シャベリーズ 代表取締役 丸山久美子」と書いてあります。
Aさんは肩書きを見て、「この人社長だったんだ! 失礼な態度を取ってしまった!」と青ざめたそうです。