宮城野親方が乾杯の音頭
――フルート奏者がいて、料理が並んでいたのはなぜか。
「もともと、北村のパーティーでは、芸術家の方がご自身の作品を展示したり、楽器を演奏したりする予定でした。私どもが芸術家の方々に中止をお知らせしたところ、ご自身の知人の方もお呼びしているとのことで、『今回は芸術祭として、私たちの主催という形で引き取らせてもらえないか』という相談があったんです。ウチは主催できませんが、芸術家の皆さんがそういう趣旨で開催されることであれば引き取ってください、という流れになったのです」
つまり、本来は北村氏の政治資金パーティーだったものが、急きょ、芸術家たちの芸術祭として開催されたのだという。
では、販売したパーティー券の収入はどう処理するのか。
「私どもの主催ではなくなったので、お金は皆さんにお返しします。なかには、次回以降の北村の後援会の会費などにあててくださいと申し出てくださる方もいます。今はその(経理の)処理をしているところです」
強制捜査を受けた二階派議員もパーティーを開いた。11日には、二階派の武田良太事務総長が都内で政治資金パーティーを開き、1000人規模の集客力を見せつけた。
「鈴木宗男参院議員や世界各国の大使の人も来ていました。会場には1000人くらい集まっていて、乾杯の音頭を取ったのは、司会が『武田先生が公私にわたり親交のある方』と紹介した大相撲の宮城野親方でした」(参加者)
武田氏は「パーティーは政治家にとって重要な政治活動の一つ」とパーティーの必要性を述べたという。
「やっぱりうまみがある」
政治家のパーティーによく顔を出すという後援会関係者はこう話す。
「岸田首相の意向を無視してまでパーティーを強行するのは、やっぱりうまみがあるからですよ。そう簡単にはやめられないでしょう」
パーティーによる政治資金集めがこれだけ疑惑の目で見られている中でも、個人でパーティーを開かずにはいられない自民党議員たち。問題の“根”は相当深そうだ。
(AERA dot.編集部・上田耕司)