隠れている感情に寄り添う

例えば、以下のようなケースです。

①交渉相手が明らかに何かを伝えたそうだけれど、なかなか言葉が出てこないとき

こんなときは、沈黙したまま次の言葉が相手から出てくるのを待ちますよね。また、

②交渉相手が感情的になっている、例えば悲しそうだったり辛そうにしているとき

こんなときも沈黙して相手の話を聴くと思います。「相手の感情的な話をずっと聞いていたら時間がいたずらに経過するだけで何の生産性もない」と思われる気持ちもわかりますが、ここは腰を据えてじっくり相手の言動の裏に隠れている感情に寄り添ってみてください。

そして先の2つのケースでなくても、交渉相手が沈黙しているときは沈黙をしてみてください。

交渉相手からさらに話を引き出すために、あえて沈黙を続けるというのも有効な手段の1つなのです。

沈黙は相手の熟考を助ける

相手が単に沈黙している、は先の「①相手が明らかに何か伝えたがっているとき」とは少し違います。つまり交渉相手が明らかに何か言いたそうにしているわけではなくても、黙ったままでいてみるのです。

こんなとき(交渉相手が沈黙しているとき)、気にしてしまうタイプのあなたとしては「相手が沈黙しているのはもしかして自分がいけないんじゃないか」とか、「自分が話し出すのを待っているのかな。何か話さなくちゃいけないのでは」と勘ぐってしまうかもしれません。

そして、とくに考えがまとまっていないまま、思ってもいなかったことや関係のないこと、ひいては自分にとって不利なことまでもしゃべってしまったり、ボロを出してしまったという経験はないでしょうか。これは非常にもったいないですね。

交渉相手は、沈黙をしていても何かを考えていたり、自分の内面と向き合っているときもあるわけで、あなたが話し出すのを待っているわけではないことだってあります。

そんなとき、あなたの沈黙は交渉相手の熟考を助け、相手の考えや真意が新たに言葉として出るきっかけになることもあります。沈黙はとても有効な聴き方なのです。

そもそも交渉相手が沈黙しているのであれば、あなたも沈黙してよいはずです。

堂々と沈黙するのを自分に許可してあげてください。

口の前に指を当てて静かにするよう示す女性
写真=iStock.com/4FR
沈黙は相手の熟考を助ける(※写真はイメージです)

あなたが無理に話そうとせずありのままの自分を体現できていれば、交渉相手はきっと勝手に話してくれるでしょう。