中国IT大手なら喜んで楽天モバイルを買うだろう

まず最初の疑問。そもそも楽天グループは携帯事業をここでやめることはできるのでしょうか? 実はその気にさえなればやめることはできます。

やめるといっても加入者が600万もいますし、日本全国に2兆円規模の投資をして携帯電話網を構築したわけですからただやめるのは損ですよね。ですから楽天グループが携帯事業をやめる場合は、楽天モバイルを誰かに売ることになります。

その買い手ですが、おそらく探せばいます。今、日経平均が爆上げしている理由は、円安で日本企業に投資をしたい外国人投資家がたくさんいるからです。たとえば(政府が認めるかどうかは別にして)中国のアリババやテンセントに楽天モバイルの売却を持ちかけたらどうなるでしょうか。

アリババのオフィスビル
写真=iStock.com/Robert Way
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今、中国は不動産バブルの崩壊で経済減速にあります。中国国内の景気が悪い中で中国のIT大手が成長しようとすれば日本市場への進出というのはひとつ、現実的かつ魅力的な分野です。日本全国に基地局インフラを持つ楽天モバイルが手に入るとしたら? わたしだったら1兆円を払ってでも手に入れたいと思います。

いくらでも楽天モバイルの買い手はいる

中国企業がダメというのならアメリカのアマゾン、韓国のサムスンも候補にいれてもいいでしょう。どちらも1兆円など軽く捻出できるという点では日本企業をはるかに超える資金力を持っている企業体ですから。

もちろんわざわざ日本の携帯インフラを売る相手は外資だけが選択肢ではありません。日本企業が手を上げるのであればそれも当然選択肢です。ここで言いたいことは、条件次第ではいくらでも楽天モバイルの買い手はいて、決断次第では楽天グループは携帯事業を手放せるということです。

1兆円で売るというのはあくまで仮で挙げた数字ですが、そうなれば楽天はお荷物のモバイル事業から撤退することができますし、手元に残る借金は8000億円ぐらいまでは減らすことができます。そして楽天グループの他のインターネット事業、金融事業は業績絶好調ですから10年後には借金はすべて返し終わって堂々たる黒字企業へと復活できるはずです。

そのように楽天グループは「携帯ビジネスをやめる」ことはできるのです。しかしそれをやめるつもりはないというのが楽天グループ経営陣の意思のようです。