質、量、場のふるいにかけて残った情報がトリプルA

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情報の見極めには「質」「量」「場」の3つの視点が必要。

最良の情報を見極めるには、「質」、「量」、「場」の3つの視点が必要です。

情報の「質」を判断する基準は、「正確性」、「有効性」、「信憑性」です。

正確性が高い情報とは、バラツキの少ない情報です。市場のリサーチ情報を例に説明しましょう。たまたま偶然の結果ではなく、繰り返しリサーチしても、あるいは他の地域でリサーチしても結果が変わらない情報ほど、正確性が高いといえます。

情報の有効性は、正しいサンプルから導き出したものかどうかで決まります。たとえば女性向け商品のリサーチをするのに男性から意見を聞いても仕方がない。また女性相手でも、ヒアリングしたのは10人だけでは、リサーチの有効性に疑問が残ります。

信憑性は、情報に歪みがないかどうかで判断します。誰かの主観的な意見でなく、何らかの標準と比較したうえでの客観的な分析なのか。主観的な意見だとしても、複数の人からヒアリングしたものなのか。それによって情報の信憑性を判断していきます。

情報の「量」はどうか。判断に必要な情報量の目安となるのは6割です。しかし、機械的に6割集めればいいというものではありません。

情報は、「目的達成に必須の情報」、「目的達成に大いに貢献する情報」、「ないよりはあったほうがいい情報」の3つのレベルに分けることができます。6割で判断するといっても、下のレベルから6割では情報量が足りません。

逆に上のほうからなら5割や4割で決断することも可能です。情報を選ぶときは、それを意識しながら量をコントロールします。

最後の「場」は、情報の信憑性に関係します。情報は伝言ゲームのようなもので、発生から入手までの中継点が多いほど中身に歪みが生じます。情報を見極めるときは、場によるバイアスを差し引いて考える必要があります。

以上の「質」、「量」、「場」の3つでふるいにかけても残った情報が、トリプルAの情報といえます。ストックして管理するのは、トリプルAの情報だけでいい。その他の情報を抱え込む必要はないのです。

(※『ビジネススキル・イノベーション』第5章 組織のムダを改革する(プレジデント社刊)より)

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