小渕優子氏の覚悟と青木一彦氏の思い
政治闘争は、茂木派にも飛び火している。
小渕優子選挙対策委員長が25日、茂木氏と面会し、茂木派を退会する意向を伝えた。小渕氏は「政治家として覚悟を持ってけじめとして判断した」と記者団に語ったが、茂木氏が派閥離脱しないことを疑問視していたという。
翌26日には青木幹雄元官房長官の長男で参院議員の青木一彦副幹事長が、茂木派退会の意向を記者団に示し、「(21年9月に)前会長の竹下亘元総務会長が亡くなり、派閥が茂木派に代わった時からずっと心の中では思っていた」と語った。青木幹雄氏は、21年10月に幹事長だった茂木氏が一部衆院議員と諮って会長の座を簒奪したとして、最期まで許さなかったが、一彦氏にもその思いがある。
青木氏に同調する立場から、関口昌一参院議員会長、石井準一参院国対委員長、福岡資麿参院政審会長も離脱を表明し、31日に退会した。衆院では船田元衆院議員総会長のほか、小渕氏に近い古川禎久元法相、西銘恒三郎幹事長代理も同日、退会届を提出した。茂木派は退会者が8人に上り、さらに混乱が続くと見込まれている。
茂木氏は、安倍派を敵に回しただけでなく、足元の茂木派も事実上分裂し、総裁選レースで後れを取ったといえるだろう。