会ったこともないのに「悪人」扱いしてしまう
そんな風に「港区女子=何かやらかしそうなヤバい女」というイメージが徐々に構築されていく最中、今年になってドカンと例の高級寿司店のトラブルが起きた。
女性はラウンジ嬢だとは明かしているものの自らを「港区女子」だと名乗っていない。にもかかわらず過去に、港区女子的な言動をしていたということで「港区女子vs高級寿司店」というアンチたちが待ち望んでいたマッチメイクにされた結果、「億バズり」となった――という流れだ。
今回の騒動を見て痛感したのは、「悪人イメージ」のひとり歩きの恐ろしさだ。
多くの人は「港区女子」なる人々と会ったこともないし直接、喋ったこともない。しかし、港区女子を題材にしたドラマやコミックで描かれる「闇落ちキャラ」や、事件などで報じられる一部の人たちの違法行為に引きずられて、「港区女子」の「ヤバい女イメージ」が出来上がっていく。
極端な「港区女子」が足を引っ張っている
そして、あれほどの「億バズり」をしたのだから、これからはあのラウンジ嬢が「港区女子」の新たなアイコンになっていくのだ。
当たり前の話だが、心の闇を抱えていない港区女子もいれば、ギャラ飲みで得た収入をちゃんと申告している港区女子もいる。高級寿司店で節度のある振る舞いをして、トラブルを起こさない良識のある港区女子もいる。
しかし、われわれはそれを忘れて「極端な事例」に引きずられて、あたかも港区女子全員がとんでもない非常識な人々だと拡大解釈して袋叩きにする。
これは特定の主義主張をする人々や外国人のヘイトにもつながる話で、これまで日本人は何度も過ちを繰り返してきた。「港区女子」をディスる前にちょっと立ち止まって考えたい。