玉の輿を狙う女性はいつの時代も存在していた

そんな港区女子に対してはかねてからイラッとしている人が異性同性問わずにかなりいるという。そういう「憎悪」がブスブスとくすぶっていたところに、「有名寿司店の大将を無断でSNSにさらす」という迷惑行為で一気に着火、前代未聞の「億バズり」となったというのが、炎上専門家の見立てだ。

「なるほどなあ」と思う一方で、個人的にはこの説明には引っかかる点もある。

「若さと美貌を武器にハイスペックな男性との結婚を狙っている女性」など今も昔も石を投げれば当たるほど、そこらじゅうにあふれているからだ。

「チャンネーとギロッポンでシースー」なんて言っていたバブル期は、「3K」(高身長・高学歴・高収入)なんて言葉もあったくらい、もっと露骨に玉の輿を狙う若い女性が溢れていた。筆者が麻布でバーテンダーをしていた30年前も、「特に働いていないのに社長や業界人といつも飲んでいる謎の若い女性」など山ほどお目にかかったが、彼女らが財布を出したところも見たことがない。

つまり、「港区女子」はいつの時代も若い女性のなかで一定数存在している定番の生き方なのだ。にもかかわらず、ここまで世間から叩かれるということは、「ハイスペック男を狙っている」「男に奢ってもらうのが常識」ということ以外にも、「港区女子特有の嫌われる理由」があるのではないか。

セレブから「ヤバい女」になったきっかけ

いろいろなご意見があるだろうが、筆者は「東京カレンダー」が「港区女子」を商標登録した時期あたりから、この言葉がもつイメージが急速に悪化して、「港区女子=ヤバい女」というネガティブになってきたことと無関係ではないと考えている。

一体どういうことか、順を追って説明しよう。先ほども述べたように当初、港区女子はイケてる港区おじさんとハイラグジュアリーな夜を楽しむセレブ的な扱いだった。しかし、徐々に「心の闇を抱えた女性」というネガイメージがつく。それを仕掛けたのは、他でもない生みの親の「東京カレンダー」だ。

独立行政法人 工業所有権情報・研修館の「特許情報プラットフォーム」で「港区女子」を検索すると、東京カレンダー株式会社が2022年2月28日に登録していることがわかる(特許情報第6519750号)。