2016年に導入された長短金利操作を戻すべきか

1月8日、私は88歳になった。長生きするのはありがたいが、元日には私が東京大学のゼミで教えていた、経済評論家の山崎元氏が亡くなった。若い友人に先に逝かれるのは悲しい。山崎氏は将棋と囲碁が強く、卒業後「浜田先生のリフレーション寄りの政策は間違いと思っていましたが、今は正しいとわかりました」と語ってくれた。

地震とそれに関連した羽田空港の事故もあり、正直なところ、今年への期待や抱負を述べる気分ではない。しかし気を変えて、今回は今年の金融政策の理解の基礎となる金利構造について述べたい。

現在まで日本銀行の金融政策運営の指針となってきたのは、2016年9月に導入された長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)と呼ばれる方法である。円安が進み、デフレに慣れた日本にもインフレの波が伝わりつつある現在、長短金利操作方式を伝統的な金利政策に戻すべきかどうかが議題に上がっている。